阪神大震災と、きたろう君
今日、きたろう君が息を引き取りました。
8歳まで生き、鶏にしては大往生です。
今日は阪神大震災の日。
朝のニュースで、ああそうか22年目か、と気づかされた。
ニュースで流れるまで忘れていた。
日々の生活の中で、記憶は風化する。
記憶をつなぎとめてくれるものって何だろう?
きたろう君が往生したと知らせを受け、きっと数日の大雪の寒さが老体にこたえたんだろうと聞いた時、地震の数日前の、忘れていた記憶がいっぱい蘇った。
その日も大雪だった。
高校1年生の時。
真っ白な雪景色の夜道を歩いてた。雪に埋もれて歩いてたら、八甲田山を登ってるような気持ちになった。
震災で直接大きな被害を受けていない私は、この雪景色が当時を思い出すよすがとなる。
きたろう君と震災は何も関係は無いけれど、2つが不思議に結びついた。
かけがえない命の喪失という意味で。
生き物を飼っていたら、あまたの別れに遭遇する。
毎回、それはそれは切ない。
どんな寿命の短い生き物でも、小さい生き物でも、命の価値は同じ。
大雪ときたろう君、阪神大震災。
きたろう君、さぞ寒かったろう。
一番小さい身体で長生きした鶏、きたろう君。
阪神大震災から22年目ー、雪景色に見守られながら、きたろう君は息を引き取った。