退路を断つこと

学校の先生を生業にして、もうちょっとで10年経ちます。
一つの節目、今年度を限りに先生という仕事を辞めようと思います。
 
10年前、英語の先生やってたうちのお母さんが、「教育は最後は愛やで。」って言ってるのを聞いて、「おい、なに青くせーこと言ってやがる、うちのおかんはよー!」と心で思ってました。
 
この仕事で一番大事なのは、教えるスキルだと信じ、それを磨くために、たくさん勉強して投資してきた私ですが、最後と決めた一年、原点に戻って仕事をしています。
 
アンケート結果に怯えたり、カリスマと比べられると凹んだり、苦情が来ないように、リスク回避を最優先したり、そんなしょうもないこと考えるのやめて、青くさい一文字だけで働くと、何でもやり過ごせちゃうもんですね。
 
お母さん、あんたが正しい。
 
10年前に故郷の福知山で、8月にふと見上げた夜空に、満点星が輝いてました。因果関係は複雑ですが、それがとっても綺麗で、この仕事始めようと思いました。
今年、5月に眺めた瀬戸内の夕焼けが心に沁みてー今年で終わりにしようと思いました。
 
もし、資格試験に落ちたり、受かっても他に教師以外に仕事がなければ、来年も続けている可能性、なきにしもあらず、ですが・・・、退路を断って、これからの生き方模索していく一年にしようと思います。
 
辞めようと決めたら、辛かったことも含めて、何か走馬灯みたいに脳裏を駆け抜けていく思い出たちが、今はとっても愛おしい。かつて私を精神的に追い詰めたヤンキーどもも含めて、ありがとう。
 
 
「ブカブカだった制服がやっと似合うようになったころには
もう着なくなってしまうように
 
いつもそうだ
理解ったころにおわるんだ
 
きみのキライ名なたべものようやくぜんぶおぼえたのに」
 
 
                  ナカムラ326