こころをばなににたとへん

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こころをばなににたとへん


こころはあじさゐの花


ももいろに咲く日はあれど


うすむらさきの思い出ばかりはせんなくて


Sakutaro Hagiwara

 


社会学者、見田宗介曰く日本で家ごとに花を飾るのは、近代になってから出来た習慣で、江戸期までは、たとえ子供であっても花をむしる事は止められたんだそうです。


花はこの世にいっぱい咲き乱れているヒエロファニー


緑の茎、枝の先端に、いきなり出現する、鮮明な赤や黄色は、聖なる異世界からこの世に現れ出た、感動と畏れに満ちたもの。

 


手向くるや むしりたがりし 赤い花

 


一茶が最愛の娘を亡くし、お前がむしりたがった花、今お前に手向けてあげられるよ、こう詠んだ一句が、心に沁みる。

 

花にうつし世を思うた昔人なら、この艶やかな紫陽花を見て、なんと言うだろうか。

まどろみ

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今日、カフェで流れてた曲。

雨降りの低気圧の夕暮れ時、心に染み入る・・・。

 

「涙と一緒にそっと蒔いた  希望の種に   虹の光が降り注ぐ」

 

「野ずえにのこる  遅咲きの花は  あでやかな初花よりも  愛らしく

かなしい夢のよすがともなる    ひとの別れのときもまた

あまい出会いの時よりふかく    こころにのこることもある  」

 By  プーシキン

 

野に分け入って、摘んだ名も知らぬ草。

君と食した名もなきその草の、ほろ苦さ、青臭さ、

今でも鮮明に舌先くすぐるよ。

後で図鑑で調べたら、美味だが微毒と書かれてた。

後で身体に訪れた、物思ひという名の副作用ー、

切なさや、苦しさという名の副作用。 

月見れば、切なさの水、一しずく。

明日から水無月、潤いの季節が始まるよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ドクダミ

部屋中ドクダミに包まれてます。


嗚呼愛しき野草、君の名は、ドクダミ


涼やかな白いお顔に深緑のマント纏った貴方はウンテルデン・リンデンを闊歩する伯爵のやう。
市場に乗らない汝の価値、我こそ見出しさぶらへ。

 


花屋の店先に並ばない  野に咲く花を見ていると


市場に価値は無いけれど  とてもみんな誇らしい


花屋に並ばなくてもいい

 

 

もともと特別なオンリーワン

 

 

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退路を断つこと

学校の先生を生業にして、もうちょっとで10年経ちます。
一つの節目、今年度を限りに先生という仕事を辞めようと思います。
 
10年前、英語の先生やってたうちのお母さんが、「教育は最後は愛やで。」って言ってるのを聞いて、「おい、なに青くせーこと言ってやがる、うちのおかんはよー!」と心で思ってました。
 
この仕事で一番大事なのは、教えるスキルだと信じ、それを磨くために、たくさん勉強して投資してきた私ですが、最後と決めた一年、原点に戻って仕事をしています。
 
アンケート結果に怯えたり、カリスマと比べられると凹んだり、苦情が来ないように、リスク回避を最優先したり、そんなしょうもないこと考えるのやめて、青くさい一文字だけで働くと、何でもやり過ごせちゃうもんですね。
 
お母さん、あんたが正しい。
 
10年前に故郷の福知山で、8月にふと見上げた夜空に、満点星が輝いてました。因果関係は複雑ですが、それがとっても綺麗で、この仕事始めようと思いました。
今年、5月に眺めた瀬戸内の夕焼けが心に沁みてー今年で終わりにしようと思いました。
 
もし、資格試験に落ちたり、受かっても他に教師以外に仕事がなければ、来年も続けている可能性、なきにしもあらず、ですが・・・、退路を断って、これからの生き方模索していく一年にしようと思います。
 
辞めようと決めたら、辛かったことも含めて、何か走馬灯みたいに脳裏を駆け抜けていく思い出たちが、今はとっても愛おしい。かつて私を精神的に追い詰めたヤンキーどもも含めて、ありがとう。
 
 
「ブカブカだった制服がやっと似合うようになったころには
もう着なくなってしまうように
 
いつもそうだ
理解ったころにおわるんだ
 
きみのキライ名なたべものようやくぜんぶおぼえたのに」
 
 
                  ナカムラ326